こんにちは。ひつじ母です。
5歳の年中さんと、9歳の小3を育てるワーママです。
子供に怒らないと人生が変わるか、壮大な実験中!
最近、学校の授業をきっかけに「障害」について興味をもった杏ねえちゃん。
乙武洋匡さんのYouTubeをみたり、本を読んだりしていたので、聴覚障害をもつ家族について扱った『コーダあいのうた』を見に行くのもいいかも?と思い、鑑賞に行ってきました!
でも、こちらPG12の作品なんですよね。
PG12ってなに?
なぜPG12指定となったの?
小学生と行っても大丈夫?
小3の杏ねえちゃんの感想は?
映画『コーダあいのうた』を子供と観に行きたいけれど、PG12指定だし大丈夫かな?と不安になっている方はぜひ読んでみてください。
『コーダあいのうた』のあらすじ
耳の聞こえない両親と兄のもとで育った、高校生の女の子ルビー。
漁師である父親と兄を助けるために、毎朝3時に起きて一緒に船に乗り、その後学校に行く日々。
父親の下品な手話も訳します。年頃の女の子が!
授業中はもちろん居眠り。
しかも、漁に行ったままの服だからちょっと魚臭い。
聾唖の家族の子だからと、学校でもちょっと浮いた存在みたいです。
しかし、漁師の家計は厳しい・・・
耳が聞こえないからか?釣った魚が買い叩かれたりする現実もある。
新学期、密かに思いを寄せるマイルズが合唱クラブを専攻するのを見て、ルビーも同じクラブを選ぶことに。
その合唱クラブを指導していた、ちょっと独特なV先生が、ルビーの歌声を聞いて、バークリー音楽大学への進学を提案。なんとマイルズもバークリーを受けるらしい。
ルビーにとっては、初めて「家族のいない、自分だけの人生について」提案を受けたわけです。
しかし、音楽大学への進学を家族が賛成してくれるわけもなく・・・
家族唯一の健聴者は、手話の「通訳」として家族には欠かせない存在ですもんね。
でも「いつまでも家族に縛られた人生は嫌だ!」と反発するルビー。
そんな中、高校で音楽会が開催され、両親も来ることに・・・
はたしてルビーは家族のもとに残るのか、バークリー音楽大学へ進学して新たな一歩を踏み出すのか。いかに!?
PG12ってなに?その理由は?
映画を見に行こうと調べていた時、思いがけずこの作品が「PG12」に指定されていると知りました。
映倫のホームページによると「PG12」とは
「PG12」小学生には助言・指導が必要
映倫のホームページより
https://www.eirin.jp/index.php
と書かれていました。
さらに映倫のホームページは、映画ごとに指定を受けた理由も確認できます。
『コーダあいのいうた』のPG12指定理由は次の通りでした。
簡潔な薬物使用の描写がみられるが、親又は保護者の助言・指導があれば、12歳未満の年少者も観覧できます。
映倫のホームページ 審査作品検索
https://www.eirin.jp/index.php
どうやら薬物関係により指定されたようです。
が、実際に作品を鑑賞すると、指定理由は、これ以上だと思います!
確かに、ルビーの父親が、公然とマリファナを吸うシーンが出てきますが、これは1回だけです。
それよりもはるかに多いのは、下品な会話です!
特に父親と母親が性病にかかって病院に行くシーンでの医者とのやり取りや、マイルズが家に来た時に両親がチョメチョメし出すシーン、その後の話し合いでの会話など、手話でここまで下品な会話ができるのか!と逆に感心してしまうくらいです。
というか、手話がわからなくても、手の表現で見事に伝わるという(笑)
これらの下品な会話は、父親や母親の性格を表すために欠かせないもの、映画のストーリー上必要なものだと理解できますが、小学生の娘の目と耳を覆いたくなったのも事実ですねえ。
小学生と観に行っても大丈夫?
前述の通り、かなり下品な会話が繰り広げられるので、小学生の目と耳を覆いたくなるシーンもあります。
私達は字幕版で鑑賞したので、字幕にもバッチリお下品な表現が出てきました。
親としては、後から「ねえ、〇〇ってなに??」って聞かれるかも!?とヒヤヒヤしましたし、「もしそうなったらこうやって答えよう」と、映画を観ながら必死で考えましたヨ。
我が家の場合は、もし「チョメチョメってなに?」って聞かれたら、
詳しくはもう少し大きくなってから話すけど、
お父さんとお母さんでイチャイチャすることだよ~!
って答えるしかないな、と観賞中に決めました。
幸いなのか??空気を読んだのか??その後、娘からそういった質問はなかったです。
正直、ホッと安心した、ひつじ母ですよ。
小学生と観賞に行く場合は、その後の質問にある程度備えておく必要があると感じました。
映画好きママの感想
映画のタイトルにもなっている「コーダ」。
音楽に関する映画だから、音楽記号の「コーダ」をタイトルにして、主人公の人生に掛けているのかな~と思っていましたが、
コーダとは「CODA:Children of Deaf Adults(きこえない・きこえにくい親をもつきこえる子ども)」のことも指すようで、二重の意味のあるタイトルだったのですね。
主人公のルビーをみていると「この子は、手話の方が第一言語なんだな」と思えるシーンがたくさんありました。
V先生に「どうして歌うのか?」と聞かれた際、それを言葉で表現することが出来なくて、思わず手話が出てきてしまうシーン。バークリーでの試験で、ジョニ・ミッチェルの「青春の光と影」を歌いながら気持ちが高ぶって、思わず手話で同時通訳してしまうシーンなど。
「学校に入った時にしゃべり方が変だと言われた」という会話も、それまで、聾唖のコミュニティにいた時間の方が長かったんだなと思いましたね。
物心ついた時からずっと、両親と世間の通訳としての役割を担ってきたので、そろそろ自分の人生を生きたいよなと。
でも、音楽会のシーンを見た時、両親のことを責められないな、と思いました。
というのも、音楽会に来た両親が明らかに”初めての場所に来た”という雰囲気が漂っているんですよ。
おそらく、両親自身も、上のお兄ちゃんの時も、ろうあ専門の学校に通っていたので、こういった普通の高校の音楽会に来たことがなかったのでしょう。今まで狭い世界で生きてきたのです。
そこで、活き活きと笑顔で歌うルビーを見て(つまり、普通の高校生らしくしている姿を見て)、両親はきっとショックを受けたと思うのです。ルビーには、こんな一面もあるのか!と、初めて気が付いたと思うのです。
さらに、その音楽会のシーンで、約1分くらい、全くの無音になる箇所が!
その時、私たち”健聴者”は「聞こえないってこういう事なのか!」「聞こえない世界では、音楽について理解するのがどんなに難しいか」を、まさに身をもって知らされるのですよ!
すごく効果的な演出に感心しました。
バークリーの試験で、ルビーがジョニ・ミッチェルを歌うシーン。
和名では「青春の光と影」ですが、英語では「Both Sides, Now」。
今まで、「聞こえない世界と、聞こえる世界」の2面(Both Sides)で生きてきたルビーの人生と歌が重なって、映画館で嗚咽~!マスクが苦しい苦しい!
私は、子どもたちの人生を奪っていないだろうか?
心配しているつもりで言ってしまった助言や、先回りの言葉で、彼女たちの可能性を狭めていないだろうか・・・すごく考えさせられました。
最後にルビーが旅立つシーン。
杏ねえちゃんやリリーちゃんにも、きっとこんな日がくるんだろうな。
その時、私達家族も、こんな風に全力で応援したい!と思ったエンディングでした。
最後の、難解な形の手話は「愛してる」というサインだそうです。
まさに、笑って、泣いて、考えさせられる。
これぞ映画の醍醐味!と思えるような作品でした!
サントラで音楽を聴き返しても最高!
ブルーレイも出ました!
あの感動を何度でも!
小3娘の感想
小学校3年生の娘に感想を聞いたところ、星空の下でルビーがお父さんのためにもう一度歌を歌うシーンと、一番最後の家族との別れのシーンで、ルビーが一旦戻ってくるシーンが、特に感動したようで、涙が出たようです。
あと、主人公のルビーとマイルズが、背中合わせでデュエットしている時にキュンキュンしたと(笑)
音楽会のシーンで、音がしなくなった時は、映画館の音響が壊れたのかと思ったそうで(笑)
聞こえない世界って、こういう事なんだ・・・と思ったようです。
初めての字幕映画だったこともあり、読めない漢字もあったようですが、ストーリーはよく分かったと言っていました。
まとめ:『コーダあいのうた』を子供と観るには
『コーダあいのうた』は、笑って泣いて、さらに、聞こえない世界について考えさせられる、とても良い映画だと思います。
ただ、PG12に指定されていることもあり、映画の中には、キツめの下品ワードや仕草が出てきますので、あとから「〇〇って何?」と聞かれたときに、親はあらかじめ返答内容を用意しておく必要があると思います。
しかし、その手間を考慮しても、十分に観る価値のある映画ですね。
杏ねえちゃんも「障害」というものにつきまとう暗いイメージが、今回の映画で、明るいものに変わってきたようで、それだけでも観に行ってよかったな~と感じています。
今回のレビューが、『コーダあいのうた』を子供と観に行きたいけれど、PG12指定だし、大丈夫かな?と不安な方に、少しでも役に立てば幸いです。
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