こんにちは。ひつじ母です。
5歳の年長リリーちゃんと、9歳の小4杏ねえちゃんを育てるワーママです。
子供に怒らないと人生がどう変わるか、壮大な実験を地道にしております。
フィンランド式子育てをきっかけに興味を持った「フィンランドの教育」。
なにやら、日本の教育とはまるで違うらしい!?
今回、この本「競争やめたら学力世界一 フィンランド教育の成功」を読んでみました!
この本を読んで、フィンランド教育の特徴と成功した理由をまとめました。
\この記事でこんなことが分かります/
[PR]どうしてフィンランドの教育に注目が集まったの?
そもそも、どうして、フィンランドの教育に注目が集まったの??
それは、経済協力開発機構(OECD)が実施した「PISA」という国際学力調査でトップクラスの成績を上げたことが大きいようです。
PISAってなに?
PISAは「生徒の学習到達度調査」という名前の国際学力調査です。
つまり、詰め込んだ知識をテストで出すだけでなく、実際に問題を解決できるような「実践力」や「思考力」「創造性」が重視されたテスト、それがPISAなのです。
PISAってどんな問題が出るの?
とは言われても、具体的にどんな問題が出るの!?
おそらく2003年のものと思われる問題が、本に載っていました!
↓こんな感じです!!
おお~!!
確かに、普通の学力テストとは全然違います!!
生活に即した内容で、実に「実践的」。
そして「思考力」や「創造性」が必要になるというのも、問題をみるとよく分かります!
「読解力」の問題も、非常に独創的です。
フィンランドは、このPISAにおいて、好成績(すべて1位グループ入り)だったことから、「世界一」と注目を集めたようです。
特に「読解力」が高い!!
数学的 リテラシー | 科学的 リテラシー | 読解力 | 問題 解決能力 | |
2000年 | 4位 | 3位 | 1位 | – |
2003年 | 2位 | 1位 | 1位 | 3位 |
ちなみに日本の成績はこちら↓
| 数学的 リテラシー | 科学的 リテラシー | 読解力 | 問題 解決能力 |
2000年 | 1位 | 2位 | 8位 | – |
2003年 | 6位 | 2位 | 14位 | 4位 |
読解力以外は1位グループに入っていますが、とにかく「読解力」が低いですね。
また、「無回答」が多いのも日本の特徴だったようです。
こんな好成績を出したフィンランド教育ってどんな特徴があるんだろう!?
フィンランド教育の特徴
本からわかったフィンランド教育の特徴と成功理由は、この6つ!
【特徴1】「自分のために学ぶ」という意識を徹底!
フィンランドでは、子供にも、大人にも
「自分自身のために学ぶ」という意識が徹底している
すごくないですか!!??
どうやったらこんな意識になれるのかというと、
- 生徒の成功にとっては、自らのやる気と動機がとても重要
- いやがるものには強制しない。
- あの手この手で促しはするけれど、本人のやる気が起きるまで待つ
- 強制すれば、本来の学習がぶち壊しになってしまい、かえってマイナス
という考えが徹底されており、
教師は生徒のやる気の変化をずっと見守っていて、生徒が必要になったときに適切な支援をしている
というのです。なので、
「やる気を出す」→「自分自身のために学ぶと実感」
というサイクルがまわるのだと思います。
「いやがるものに強制しない」「やる気が出るまで待つ」を学校でやるってすごい!
【特徴2】競争させない!落ちこぼれをつくらない!
1人ひとりを大切にする「平等な教育」を徹底しているフィンランド。
テスト結果で「できる子のクラス」「できない子のクラス」に分けることはしていません。
実はフィンランドでも、昔はそんな選別もしていたようなのですが・・・
テストにより出来る順にクラスを分けても「できる子」にはとりたててよい影響がなく、「できない子」には、何もプラスにならないとして、1985年時点で順位別のクラスは廃止したそう。
え~!そうなの!?
16歳の時に、高校入学のためにテストを行うようですが、それまでは生徒を序列付けすることなく、1人ひとりの発達を支援する教育を徹底しているそうです。
1つの教室に色々な学力の子供がいる状態を作ったことで、教え合ったり協力し合ったりする関係が生まれ、学習が深まるとのこと。
さらに、フィンランドでは
できる子を伸ばすよりも、出来ない子たちにしっかりした学力をつけて押し上げる方が効果がある
という結論も出ている!!
教師が「この子はちょっと苦労しているかな」と判断した子は、その子に合った補修内容が組まれ(ここもやっぱり1人1人が大切にされている)、学力が追い付いたら、すぐに普通のクラスに戻されるようです。
「できる子を伸ばすより、できない子を底上げする方が効果的」という考え方が、目からウロコ!
【特徴3】教師の質を確保した
フィンランドで教員になるには、なんと「修士号の取得」が義務付けられているそう!
修士とは、大学院を修了した者の学位
ウィキペディアより
つまり・・・大学院を卒業しないと教師になれない!
フィンランドでは、教師一人ひとりに「教える力」が求められており、またそれを持っている!
教えることへの高い専門性を持っていることが分かっているので、生徒も親も教師を専門家として信頼しやすいそうです。
先生への不信感がなくて、信頼できるってすごくいい状態ですよね!
【特徴4】教師・学校の権限が大きい!
フィンランド国として、大枠の「国家カリキュラム大綱」はありますが、
教材・カリキュラム編成、授業内容などは、各学校と各教師にかなり任されている
とのこと。
つまり、その学校の方針により独自に「国語」の授業数を増やしたり、「どの外国語を学ぶか」などを決められるということ。
専門性を持った士気の高い先生たちが、良いアイディアを教育の場で実行しやすい環境が整っているということですよね!
国全体として、学校や先生を信頼しているからこそ出来ることですよね
【特徴5】授業方式から、少人数のテーマ学習方式へ変えた
フィンランドでは、
クラス一斉よりも、グループや個人がテーマにもとづいて自主的に学ぶ教育方法が多い
具体的には、生徒一人ひとりが少人数のグループの中で、教師から指導を受けつつ、与えられた課題について自ら調べ、討論し、考え方をまとめてプレゼンすることが多いようです。
例えば「国語」なら読み書きの正確さより、読んだ文章について考え、グループで意見を交換し、感想や意見をどう表現するかに重点をおくとのこと。
こういったテーマ学習方法は、ただ知識を詰め込むのではなく、その知識を応用して解決する力が付き、
さらに、グループで学ぶことで、互いに影響し合い、競争するよりも、分からない事を教え合ういい関係が生まれます。
また、授業中であっても休む自由があり、マイペースで学べるように個人にあった支援がされます。
「やる気が出るまで待つ」ってことですよね。
授業をボーっと聞くよりも、グループで協力しながら意見をまとめていく方が楽しそう!!
【特徴6】教育がほとんど無償!
フィンランドでは、教育にかかわる色々なことが無償!
例えば・・・
す・・・すごい!!
フィンランドの本気度がここに見えますよね!
フィンランドが、国をあげて本気で子供達に投資をしているとわかります!
本に載っている言葉を引用するならば
学力を上げることが一番の目的ではなく、子どもが満足し、充実する学校生活が、大事な教育課題だから
くぅぅぅぅ~!!!
日本にもこんな考え方が欲しい!!
子どもや両親が、不安なく楽しく学ぶことが、未来のフィンランドにとって良いということが分かっているんですね。
日本でできること
フィンランドが素晴らしいことは分かったけど、日本にいる我々はどうしたらいいの?
この本の良いところは、「日本にいる我々がどうしたらよいか」をきちんと提示してくれているところです。
筆者がいうには、まずは
教師が「手作りのテスト」を作成すること
だといいます。
これをすることで
- その子供の教育のために、自分が教えたことがちゃんと学ばれているかを測ることができる
- 子ども達にも「先生が自分のために教えてくれている」という実感がわく
手作りのテストといっても何でも良いわけではなく
子ども達の実際の生活を密着させた問題を作ることが大切
これをすることで
- 子ども達は興味を持って、楽しく、活き活きと勉強が出来るし
- そんなテストが話題になれば、親たちも先生を信頼するようになり、
- 先生自身の士気も上がっていく
という良いスパイラルが生まれます!!
また
学力別のクラス分けも止め、クラスの仲間が助け合うような学級を残すこと
これも大切だと言います。
生徒の成績が向上することに対する期待感があり、努力するための準備ができていて、学習の喜びに満ちていて、教師と生徒間の関係が良好で、教師の士気が高い学校では、生徒の成績が良い
本「競争やめたら学力世界一 フィンランド教育の成功」より
現在の日本でも、少しの改善で、まさにこの状況を作り出すことができると筆者は期待しています。
確かに「自分の生活に密着した手作りのテスト」って、答えるのが楽しそう!!
【まとめ】我が家でできること
この本「競争やめたら学力世界一 フィンランド教育の成功」を読んで、一番強く思ったのは
フィンランドの教育観が、日本のそれと大きく違うということ!
特に「自分のために学ぶ」という意識が子供にも浸透しているのは、驚きです!
現在アラフォーの私ですら、日本の教育観にどっぷりつかってしまっており、頭では分かっているのに、なかなか自分の行動に落とし込めないのは
- 子どもの成功にとっては、自らのやる気と動機がとても重要
- いやがるものには強制しない。
- あの手この手で促しはするけれど、本人のやる気が起きるまで待つ
- 強制すれば、本来の学習がぶち壊しになってしまい、かえってマイナス
という考え方です。つまり
子供を、長い目で見られない、見守れないということ・・・
我が家の場合、テストが出来ないという目先の学力に惑わされ、繰り返し学習の「公文」に入れてしまいましたが
フィンランド教育を学んでいると、「公文」って、いわゆる「知識を詰め込むだけの学習なんじゃないか・・・」と迷う気持ちも出てきました。
さらに、娘から「公文行きたくない」と言われると、「このまま勉強自体が嫌いになっちゃったらどうしよう・・・」とさらに迷う・・・
この本を読んで
公文に入れる前に、娘の生活に密着した算数の問題を私たち自身が作ってあげて、楽しく学べるようにしてあげたらよかったかな
と、少し後悔しました。
また、「やる気」や「頭の中に色々な引き出し」が作られるように
一日1冊、様々なジャンルの本を読み聞かせて、感想を言い合ったり、議論したり、そういった時間を増やしたいな
とも思いました。
速いスピードで変化する現代社会では、大人になってから「学び直し」が必要になることもありますよね。
そんな時、勉強が嫌いだと「学び直し」も大変になってしまいます。
勉強することが楽しいと思えるようにしてあげたいなあと。
いや、本音で言えば、今すぐフィンランドに移住して、フィンランドで教育を受けさせたいよ!
ですが、それは金銭的にも家族的にも無理なので(笑)
フィンランド教育の良いところを、日本の家庭の中で真似していきたいと思っています。
\フィンランド教育の特徴について豊富なデータで書かれた面白い本です!
ちょっと難しいですが、筆者の熱量が伝わります!/
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